1月12日に岩波書店から10年ぶりの大改訂となった「広辞苑 第七版」」が発売されました。
ことばを生業とする人をはじめ、多くの人に愛用されている辞書ですね。
手元に持っていなくても、図書館などで手に取ったことがある方も少なくないと思います。
発売前から、メディアなどで話題になる辞書ってこの広辞苑くらいではないでしょうか。
新たに追加された項目や削除された項目、新しい解釈が加えられた項目などが話題になっていました。
ものすごい影響力です。
ご参考までに、追加された項目をほんの一部ですがご紹介します。
<現代語>
- 朝ドラ
- 上から目線
- 可視化
- がっつり
- 小悪魔
- 自撮り
- 戦力外
- 卒乳
- ちゃらい
- まかない料理
<カタカナ語>
- アプリ
- エコバック
- クールビズ
- クラウド
- サプライズ
- ツイート
- ドクターヘリ
- パワースポット
- ブロガー
- リスペクト
<人文・社会>
- アラブの春
- LCC
- 大阪取引所
- オスプレイ
- 限界集落
- 殺処分
- ねじれ国会
- 東日本大震災
- ビットコイン
- ふるさと納税
- マタニティー・ハラスメント
<科学・自然>
- iPS細胞
- 熊本地震
- ゲリラ豪雨
- シェール-ガス
- 新型インフルエンザ
- 真正双子葉植物
- ディープ-ラーニング
- ニホニウム
- はやぶさ
- ミラー-ニューロン
<人名>
- 永六輔
- 大鵬
- 高倉健
- 立川談志
- つかこうへい
- 土井たか子
- 中内功
- 劉暁波
- オバマ
- ベッケンバウアー
<地名>
- 浜通り
- 富岡製糸場
- 東京スカイツリー
- 熊野古道
- 口永良部島
- 西沙群島
- サマワ
- コッツウォルズ
- 黄金の環
- 南スーダン
ここ10年の間に新しく出てきたことばや大きく注目された人物や出来事に関わる言葉が、追加されているのはもちろんですが、以前からあったことばで、今回追加されたのが意外な気がする言葉もありました。
皆さんは、追加項目を見てどんな印象を持たれましたか?
発売後も残念なニュースではありますが、「LGBT」の説明が正しくないと指摘を受けて大きな話題となっています。
L=レズビアン(女性の同性愛者)
G=ゲイ(男性の同性愛者)
B=バイセクシャル(両性愛者)
T=トランスジェンダー(体の性と自己認識の性が一致しないことやその人)
の頭文字を集めたもの。
それを広辞苑第7版では「多数派とは異なる性的指向をもつ人々」としているのが問題だと指摘されているのです。
なぜなら、トランスジェンダーは、性的指向とは関係ないから。
影響力の大きい広辞苑に誤った説明が掲載されるのは、やはり問題です。
こちらについては、対応が検討されるようですね。
私はまだ実物を手にとってはいないのですが、発売前に書店でパンフレットを入手しました。
そちらによると、第六版よりも一万項目、140ページ増えたのに用紙・造本の質の向上で厚さが変わっていないそうです。
用紙がめくりやすい「ぬめり感」は保持したままだそうです。
また、パンフレットの冒頭には「広辞苑の歩み」として、各版の発売年月日と特徴が記載されています。
ちなみに第一版は1955年の発売。
その後、およそ10年前後で改定が繰り返されてきています。
おそらく既に次の改定に向けての作業が既にスタートしているのでしょうね。
今回追収録が見送られたと話題になっていた言葉も次の改定では追加されるかもしれませんし、もしかしたら、使われなくなってしまい、追加されないままかもしれません。
ちなみに収録を見送られた言葉は、
- アラサー
- ガン見
- きしょい
- ググる
- つんでれ
- TPP
- 豊洲市場
- ほぼほぼ
- ゆるキャラ
このうち10年後も使われている言葉ってどのくらいあるのでしょうね。
広辞苑のパンフレットには、
「二版・二版補訂版をご愛用の方へ」
…と
第五版までを愛用している方への広辞苑の引きやすさ、わかり易さの比較を紹介してあります。
これを見るだけでも、初版が発行された約60年前からの日本語の変化を、ことばって生きているんだなっていうことを実感します。
ことばの意味や使い方に迷った時は、簡単にネットで調べることができますが、手元で紙をめくりながら目的のことば以外との出会いを楽しむのもいいと思います。
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