旅の恥はかき捨て、ネットの恥は”末代までの恥”

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約1549文字 一般的完読時間 3分

以前、テレビ番組で起こった日本語の勘違いによるネットの炎上がありました。

情報番組「ヒルナンデス」で、旅先で芸能人が通りすがりの人に行き先を聞いた場面で、通りすがりの男性が「まっすぐ行けば丁字路(テージロ)にぶつかる」と説明しました。
陣内智則やタンポポ川村などが、すぐに「テージロ」に食いつき、おもしろおかしく「テージロ」と繰り返して、笑いを取ろうとしていました。
しかし「丁字路」は古くからある正しい日本語で、それと同じ意味の「T字路」が最近では広がって、これも正しいということになりました。

つまりどちらでも良いもの。

通りすがりの男性はバカにされるいわれはなかったのです。

そこで笑いのネタにしていた芸能人に批判が高まり

「語彙が足りない」
「謝罪しろ」

だのの炎上に発展しました。

この件は芸能人だけでなく、番組制作者も同じように文字で演出しており、関係者が誰も気がつかなかったと思われます。
この事例は、答がはっきりしているから分かりやすいのですが、もっと対応に困るような例もあります。

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次の意味はどういう意味でしょうか?

「うがった味方をする」
A.人情の機微や事の真相などを的確に指摘する
B.疑って掛かるような見方をする

正解は、、、、

Aです。

意外だったのではないでしょうか?

ある調査では、Bと間違っている人が2/3もいるとのこと。
つまり正しく認識している人のほうが少ないのです。

かくいう私もBだとばかり思って使用していました。

ではここで、正しい知識を知ったからといって、Aの意味で使用して良いものでしょうか?
多分多くの人から逆に

「意味が通じない」
「誤用じゃないか」

などと思われるのではないでしょうか。
むしろBで使用する方が無難に感じたります。
日本語は時代とともに変わっているものなので、この言葉もいずれ「正しい」意味が変わるのかもしれません。

もう1つの例。

サッカーJリーグで、名古屋グランパスがJ1からJ2に降格が決まったときに、社長がファンの前で謝罪の挨拶を行いました。

そのときに

「末代までの恥だと思っています」

と語りました。

随分と過激な言葉ですね。。

J1からJ2に降格するのは、どのチームも経験していること。
それを「末代までの恥」などというのは、過去の降格チームへの侮辱にもなります。
僕は、グランパス社長がわざと自分を卑下する過激な言葉を使って、怒れるサポーターを少しでもなだめようとする狙いがあったのだと思っています。

では「末代までの恥」とはどういう意味か?

ここでも私は新しいことを学びました。

末代とは子孫とは関係なく、本人が死んだ後のことをいうんです!

だから、社長の子供や孫など子孫の恥、という意味ではなく、「自分が死んだ後までの恥」だということ。
これがわかって、私も少しホッとしました。(笑)

でも、この言葉も勘違いする人が多いでしょうね!!

冒頭に説明した「丁字路事件」では、単なる旅の恥であればかき捨てだったでしょうが、テレビ番組がネットに飛び火したために、永遠に残る恥となりました。

つまり、
『旅の恥はかき捨て、ネットの恥は”末代までの恥”』
なのです!!

ただし、、、

ただし、、、

このような日本語の勘違いは誰にでもあるもの。
人の間違いを徹底的にバカにできるだけ日本語に習熟している人がどれだけいることか?
間違わないことも大事ですが、間違ったからといって、必要以上に神経質になるべきではないと思います。

現在のように間違いに厳しいネットの風潮は、ネット環境を萎縮させ、雰囲気を悪いものにします。
陣内智則やタンポポ川村も今回の件は「末代までの恥」とは思わずに(思ってないでしょうけど(^^))次に活かすようにすれば良いでしょう。

これからの時代は、厳しいネット世論の批判を受け流すマインドも必要です!!

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