2017年10月18日、六本木ヒルズ49Fにてグーグルグロースキャンプ(Google Growth Camp)が開催されました。
その中で6つのセッションを受けた結果をまとめてレポートします。
主題はグーグルアドワーズ(Google Adwards)ですが、スマホの最適化についても深く言及していました。
内容を3つに分けてレポートします。
<目次>
2. スマホ最適化について
3. まとめと筆者の感想
1【アドワーズについて】
グーグルはまだ創業19年の未成年!!
利用者が10億人を超えるグーグルのサービスは次の7つ
*最近特に急成長しているのがGoogle Play
<日本はまだ発展途上>
日本では、ビジネスでのデジタル活用は40%だけ。
アメリカやヨーロッパは70-80%
「活用」の定義は、ホームページを持っているか、SNSを利用しているかなど多岐の要素がある。
だから、日本はまだまだ伸びる可能性が大きい。
●グーグルの広告の変遷
- 2000年アドワーズ
- 2006年ユーチューブ広告
- 2008年モバイル広告
●現在、グーグルが力を入れて行っていること
「ディープラーニング」を通して「機械学習」を行い、レベルの高いAI(人工知能)を開発すること。
ディープラーニング>機械学習>AI(人工知能)
大量の情報を読み込ませる>AIを実行するための準備>人間と同じように考えるPC
例)犬と猫をどう見分けさせるか?
人は犬の猫を簡単に見分けられる。
しかし機械が見分けるのは非常に難しい!
ディープラーニングでは、あらかじめ分かっている大量の画像を読み込ませ、特徴を学ばせる。
機械学習は例えば写真から子どもとケーキを認識した場合、例えば子どもが複数人いて、ケーキにろうそくが立っている写真であれば「バースデーパーティーの写真」と認識することができる
●人のネット利用時の3つの感情
1)何でも知りたい
様々な検索や問い合わせを行う。
車をネットで購入するために1人が500回検索したというデータがあり。
2)自分に合った答えが欲しい
下記のキーワードの検索数が過去3年で大幅に伸びている。
(○○は4万個ある)今日の天気は? 6倍
近くの 8倍
今やってる○○ 2倍
営業中 2倍
3)ストレスなく行動したい
モバイルのロード時間が3秒以上かかると53%離脱というデータもある。
○○在庫 1.8倍
●広告最適化の重要ポイント
- 購入プロセスの最初~最後を網羅する
- 1人1人に最適なメッセージを送る
(プロセスの初期段階の人と最終段階の人ではアプローチが異なるなど) - 最適化したブランド体験を通じて顧客の心理をつかむ
(良い会社、良いHP、良いサービスと分かってもらえれば、次の固有のブランド名で検索される)
データドリブンアトリビューション(DDA)とは、
長期で多くのデータを入手するために、コンバージョンウインドウは90日間が望ましい。
●アドワーズ自動入札
<特徴>
- リアルタイムデータを利用できる
- 過去のデータに基づくインサイト
- パターン認識
強みは日本のオンラインユーザーの90%にリーチできること
ターゲティングで趣味やその機微、傾向も分かる
<スマート自動入札>
・ユーザーが見ているサイトによって入札単価を変えられる
・リアルタイム(モバイル、場所)で変えられる
・デバイスによっても変えられる
データ取得に最低2週間必要で、効果は4~6週間後から。
●スマートディスプレイキャンペーン
スマートディスプレイキャンペーン(画像を自動で選ぶ)は非常に有効
「スマートディスプレイキャンペーン」とはアドワーズが始めた広告タイプ。
広告見出し、広告文、画像、ロゴなど、管理画面に入稿した「アセット」を組み合わせて、
Googleが自動で広告枠のサイズに広告を生成し、レイアウトを自動的に調整する。
そして、反応の良い広告を探し当て、状況に応じて配信することができる。
入力項目は次の3つ
- ターゲットCPA(Cost Per Action/Cost Per Acquisition)
- 予算
- 画像、文字
注意点:
- CPAの20倍の日予算にする
- 高めのCPA(普通の1.2~1.5倍)にする
- 画像、文字情報とも概ね5個ずつの設定
- 2週間はCPA変えない
●ユーザー購入経路データの活用
90%のユーザーがデバイスを変更しているデータがある
31%がクロスデバイスCV
22%が非ブランドワードCV(通常ラストクリックはブランドワード)
38%が経路変更してサイトにたどりつく。
「最後のタッチポイント」だけではダメ!
デバイスをまたいだCVを含め、最初のクリックから最後まですべてのCVアクションを含めるべき。
アドワーズで利用できるCVアクション測定評価方法は次の6つ。
- First Click
(最初のクリックの貢献度を100) - Last Click
最後のクリックの貢献度を100) - 減衰
(直近の比重を高くして貢献度を評価) - 線形
(全てのタッチポイントを平等に評価) - 接点ベース
(最初と最後に40ずつ、20を残りに割り振り) - DDA:Data Driven Attribution
(データドリブンモデル)
こうして貢献度を割り当てる。
影響力の大きさによって自動的に配分する
これは、より多くのキーワードにCVを付与することができる
結果、、
- マーケティングの意志決定の幅が広がる
- スマホへの力のいれかたを調整できる
- ラストクリック以外のキーワードへのアプローチができる
- ターゲティングを拡大
- 上限クリック単価を引き上げるなど
2【スマホ最適化について】
消費者がスマホで最も嫌うことは?
ロード時間(表示時間)短縮にはAMPとPWAが最適。
AMP・・・Accelerated Mobile Pagesの略。
新たなhtmlの作成が必要。
ほぼ1秒程度で表示される。
スマホのグーグル検索結果にカミナリマークが出る。
PWA・・・Progressive Web Appsの略。
モバイルユーザーの満足度向上を目的とした、WEBページ/WEBアプリケーションとネイティブアプリの利点をいいとこ取りできる仕組み
1日にモバイルを立ち上げる平均回数150回/day
平均利用時間3時間/day
⇒あなたのホームページは1分でユーザーに行って欲しい行動をとってもらえるか?
表示に10秒以上かかる場合、49%去る。
●優れたモバイルサイトのデザイン25の原則
下記ページを参考にしましょう。
https://developers.google.com/web/fundamentals/design-and-ux/principles/?hl=ja
消費者アンケートで「モバイル利用でイライラすることは何か?」
46% 表示遅い
16% 広告が表示される
14% 再生できない動画がある
アマゾンは0.1秒早いと売上げ1%上がると発表した。
グーグルのデータでは1秒遅くなると、、、
PV マイナス11%
CV マイナス7%
満足度 マイナス16%(購入総額など、定期購入などに影響)
特に3.5⇒2.5秒になったらCV27%上がる。
ここでの1秒が一番大きい。
1~2秒好印象
3~6秒もう少し早いほうが良い
- 目標3秒未満
- リクエスト回数80回未満
- 1MB未満
●最優先すべきこと
- 画像圧縮
- リソース連絡(JAVAのスペースをなくす、文字を減らす)
- キャッシュ活用
●次に優先すべきこと
- 画像最適化
- GZIP圧縮
- リダイレクト回避
⇒ https://testmysite.withgoogle.com/intl/ja-jp
いただいた冊子
セッションの内容
フロアーマップ
配布されたクリアファイル(表)
配布されたクリアファイル(裏)
セミナーセッション以外にグーグルの新サービスを紹介する展示コーナーがありました。
360度眼鏡が面白かった!!色々な種類がある中で海の中を選んだが、前はもちろん、上、下、後ろ、文字通り360度見回しても海の中にいる感覚を体験した!
3【まとめと感想】
筆者は以前から、アドワーズのCPAにどれだけの意味があるのか疑問視していた。
つまり、一般的にいうCPAとは、コンバージョンになる最後のクリックだけを対象にしており、ここでのキーワードやデバイスなどのデータに基づいて、広告を最適化することは、真の最適化にはならないということ。
つまりCPA至上主義は、目先の利益を追うだけでむしろ中長期で伸びる余地をつぶしてしまうと考えていた。
そういった疑問に今回のセッションでは見事に答えてくれた!
また、グーグルは下記理由により、一時期の勢いや伸びはないという印象があった。
1)フェイスブックの台頭とグーグル+の衰退、、SNSでの検索
グーグルは一時期力を入れていたSNSのGoogle+の積極的運用を諦めた。
SNSではフェイスブックに負けた形だ。
また、検索自体も検索エンジンではなく、SNS内で検索することが増えており、物事を調べる意味でも検索エンジン1強の時代は終わったといえる。
2)ネガティブイメージ
ヨーロッパで独占禁止法違反で有罪になったり、検索での名誉毀損、プライバシー侵害などの多くの問題が起こっている。
3)WELQ問題などで、検索に対する不信感や精度の限界が問題になった
2016年、DeNAのWELQ問題を皮切りに次々とまとめサイト(キュレーションサイト)の問題点が発覚した。
これらの多くは、著作権侵害の疑いがある、信憑性が怪しい、内容が乏しいという指摘が多かったにも関わらず上位表示していた。
これにより、グーグル検索への不信感や精度の限界が取りざたされた。
しかし、今回のグーグルグロースキャンプを受けて、検索での圧倒的地位は揺らがないし、他のどんな会社もできないことを今後も出来る会社だと確信した。
グーグルは入手した膨大なデータからディープラーニングをして、検索行動はもちろん、趣味や日々の行動まで分かるようになった。
それこそ、どこで何を検索して何を申込んだかも分かり、その人が今度どう行動するかも予想できるようになる。
これはかなり末恐ろしいこと。
グーグルには自分はどういう行動をしてきた人間かがデータ化され、極端な話、自分や家族より自分を知っているのがグーグルということもあり得る。
しかし、広告として考えると、間違いなく非常に有効になる。
広告を横断的に行えるのも特徴だ。
検索ネットワーク、ディスプレイネトワーク、ユーチューブだ。
●グーグル今後日本でも力を持てる大きな要因
1)検索数の増加で広告収入が増えるのと同時にデータ量が増えてより信頼性の高い情報になる
2)グーグルのブラウザ、クロム利用者の増加でより詳しい情報が分かるようになった
3)日本でグーグル検索が独占的
近年はフェイスブックが有利と思われたが、フェイスブックは検索エンジン上にやブラウザ上に存在しているものであり、両方とも大元はグーグル。
逆にフェイスブックは日本で利用者数や投稿数が減っている現実もある。
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