キーワード検索数の5つの大きなトレンド(傾向)

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約6259文字 一般的完読時間 11分

検索キーワードの傾向を知ることは、ネットビジネスを行ううえで不可欠なことです。

狙ったキーワードが実は最近検索されていなかったとしたら最悪ですね。
逆に検索されてないだろうと思っていたキーワードが急激に増えていることもあります。

この傾向はただ頭の中で想像しても分かりません。
また、いくら関連の本を読んだり人に聞いたりしても分かるものではありません。

何で正確に分かるかというと、次の2つのツールです。
どちらもグーグルが提供しているので、信頼性は他の何より高いです。

●グーグルトレンド
https://www.google.co.jp/trends/

2004年から現在までの検索数推移が分かります。
無料で誰でもすぐに調べることができます。

●グーグルキーワードプランナー
https://adwords.google.com/

キーワードの月間検索数と「PPC広告の推奨単価」が分かります。
「PPC広告の推奨単価」は要するにどれぐらいお金になるキーワードかを知ることができます。
PPC広告のグーグルアドワーズのアカウント内で見ることができるので、そのアカウントがない場合は作成する必要があります。
無料で作成できます。

近年の検索キーワードの傾向には次の5つが挙げられます。

1)全体として検索数が増えている
2)「感情検索」が増えている
3)間違った日本語や若者言葉が増えている
4)スマートフォンならではの検索キーワードが増えている
5)使用する言葉の多用化や変化で検索が横ばい又は減っているキーワードがある

例として挙げるキーワードは様々なものを取り上げますが、特に筆者がコンサル等でなじみの深い「歯科医院キーワード」と「治療院キーワード」を多く使用します。
順を追って説明します。

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1)全体として検索数が増えている

グーグルによると、全世界の年間検索数は2兆回!!(2016年)
この値は、過去3年程度で2倍、2006年の27倍、つまり過去10年では27倍に増えたことになります。
ちなみに2000年は140億回なので、それと比較すると143倍に増えていることになります。

検索数

参考)
Search Engine Land
http://searchengineland.com/google-now-handles-2-999-trillion-searches-per-year-250247

本当にとてつもない伸び率になっています。

この著しい成長率の主な要因は、モバイル検索によるものです。

日本での正確なデータはありませんが、ここ数年スマートフォンが急激に普及し、いつでも気軽に検索できるようになった現状を考えると、このデータが大いに参考になるのではないでしょうか。
この検索数の伸びの原因には、次の3点が関係しています。

(1)Web利用者が増えた
(2)スマホ利用者が増えいつでも検索しやすくなった
(3)検索リテラシーが向上し、複数キーワードを含め検索キーワードが増えた

上記1)と2)は誰もが分かっていることですが、3)は見落としがちなことです。

今では、より正確に知りたい情報を知るために、2語、3語のキーワードで調べるのは当たり前
4語、5語すら特別珍しいことではなくなっています。
いずれにしても、検索数は伸びていて当たり前で、むしろ伸びていないキーワードはトレンドではないといえるでしょう。

2)「感情検索」が増えている

近年急激に検索数が伸びているキーワードに「感情検索」があります。
「感情検索」とは筆者の作った造語です。
要するに、今思っている感情や欲求をそのままの文章で検索すること。

感情検索には大きく分けて

「(1)現在の気持ち、願望」
「(2)現在の自分の状況」

の2つがあります。
下記に挙げるキーワードはすべて過去10年間に検索数が概ね3倍以上になっているものです。

(1)現在の気持ち、願望

●綺麗になりたい、痩せたい、死にたい、結婚したい、妊娠したい、子供欲しい

「綺麗になりたい」の検索数は2012年から急激に増えています。
2007年の10倍ぐらいです。

「綺麗になりたい」の検索数

「痩せたい」の検索数は2011年から急激に増えています。
2007年の10倍ぐらいです。

「痩せたい」の検索数

ただし、検索数が急激に伸びている「痩せたい」も検索数自体は「ダイエット」よりはるかに少ないです。

痩せたい」「ダイエット」の検索数

「死にたい」の検索数は、2011年から急激に増えています。
2007年の3倍以上です。
月間検索件数は26万件もあり、明らかなビッグキーワードに数えられます。

死にたい」の検索数

「結婚したい」の検索数は、2008年から少しずつ増えています。
2007年の6倍ぐらいです。

「結婚したい」の検索数

「妊娠したい」の検索数は2011年から急激に増えています。
2007年の3倍ぐらいです。

「妊娠したい」の検索数

「子供欲しい」の検索数は2012年から急激に増えています。
2007年の8倍ぐらいです。

「子供欲しい」の検索数

●歯科医院ワード:歯が痛い、虫歯(が)痛い、白い歯

「歯が痛い」の検索数は2011年から急激に増えています。
2007年の8倍ぐらいです。
「歯痛」「歯の痛み」の検索数も増えてはいますが、2007年の2-3倍程度です。

「歯が痛い」の検索数

「虫歯痛い」「虫歯が痛い」の検索数が2011年から増えています。
ただし、検索数自体は「歯痛」より少ないです。

「虫歯痛い」「虫歯が痛い」の検索数

「虫歯痛い」と「虫歯が痛い」だけをグラフ化すると下記になります。
虫歯が痛い」の検索数は2007年から10倍ぐらい、「虫歯が痛い」の検索数は2007年から5倍ぐらい増えています。

「白い歯」の検索数は2011年から急激に増えています。
2007年の3倍ぐらいです。

●治療院ワード:腰痛治す、肩こり治す

「腰痛治す」の検索数は2012年から急激に増えています。
2007年の5倍ぐらいです。

「腰痛治す」の検索数

「腰痛治す」の検索数自体は「腰痛整体」と「腰痛治療」の1/3です。
「腰痛整体」の検索数は2015年から約2倍に増えています。

「腰痛治す」の検索数自体は「腰痛整体」と「腰痛治療」の1/3

「肩こり治す」の検索数は2012年から急激に増えています。
2007年の5倍ぐらいです。

「肩こり治す」の検索数

「肩こり治す」より検索数が多いのが「肩こり整体」
「肩こり整体」の検索数は2015年から急激に増え、それまでの2倍ぐらいになりました。

「肩こり整体」の検索数

(2)現在の自分の状況

●嬉しい、面白い、苦しい、かゆい、眠い、だるい、寒い、暑い、お腹(が)痛い

下記のキーワードすべての検索数が、2011年頃から急激に増えています。
「嬉しい」「苦しい」「かゆい」「眠い」「だるい」。
特に「かゆい」の検索数の伸びが顕著で、2007年の約10倍です。
なお、「かゆい」「眠い」「だるい」の検索数が波打っているのは季節的な要因によるものと思われます。

「かゆい」に「寒い」と「暑い」を重ねたグラフが下記です。
「寒い」が冬場、「暑い」と「かゆい」が夏場に増えています。

「面白い」の検索数は2011年から急激に増えています。
2007年の6倍ぐらいです。
「かゆい」と比べると検索数自体3倍ぐらいあります。

「面白い」の検索数

「腹痛」「お腹痛い」「お腹が痛い」すべての検索数が2011年から急激に増えています。

「腹痛」「お腹痛い」「お腹が痛い」すべての検索数

「お腹痛い」「お腹が痛い」だけをグラフ化したのが下記です。
検索数の伸び率が顕著です。

●歯科医院ワード:歯並び悪い、すきっぱ、出っ歯、歯の痛み、歯がしみる、歯が浮く

「歯並び悪い」の検索数は、2012年から急激に増えています。
2007年の6倍ぐらいです。

「歯並び悪い」の検索数

ただし、検索数自体は「歯並び悪い」より「歯科矯正」の方がはるかに多いです。

「歯科矯正」の検索数

「すきっぱ」の検索数は2012年から急激に増えています。
2007年の4倍ぐらいです。

「すきっぱ」の検索数

「出っ歯」の検索数は2011年から急激に増えています。
2007年の7倍ぐらいです。

「出っ歯」の検索数

「歯が浮く」の検索数は2012年から急激に増えています。
2007年の3倍ぐらいです。

「歯が浮く」の検索数

「歯がしみる」の検索数は2012年から急激に増えています。
2007年の5倍ぐらいです。

●治療院ワード;腰(が)痛い、首(が)痛い、膝(が)痛い、足(が)痛い・・・

「腰痛い」「腰が痛い」「腰の痛み」全ての検索数が2011年から伸びています。
特に「腰が痛い」が顕著で、2007年の8倍ぐらいです。

「腰痛い」「腰が痛い」「腰の痛み」全ての検索数

ただし検索数自体は「腰痛」が圧倒的に多いです。

「腰痛」の検索数

「首が痛い」「首の痛み」「ストレートネック」全ての検索数が2011年から急激に増えています。
特に「首が痛い」が顕著で、2007年の8倍ぐらいです。

「首が痛い」「首の痛み」「ストレートネック」全ての検索数

「足痛い」の検索数は2011年から急激に増えています。
2007年の10倍ぐらいです。
一方「脚痛い」の検索数ははるかに少ないです。

「足痛い」の検索数

「足痛い」に比べると「足が痛い」「足の痛み」の伸び率は高くありません。

「足痛い」に比べると「足が痛い」「足の痛み」の伸び率は高くありません

「膝痛い」と「膝が痛い」の検索数はともに2011年から急激に増えています。
特に「膝痛い」は顕著で、2007年の10倍以上です。
一方「膝の痛み」の検索数はゆるやかに増えています。

膝痛い」と「膝が痛い」の検索数

3)間違った日本語や若者言葉が増えている

(1)ら抜き言葉

●起きれない、寝れない、食べれない

ら抜き言葉で間違った日本語「寝れない」の検索数が2010年から急激に増えています。
2007年の数十倍です。
「食べれない」と「起きれない」の検索数も増えていますが、「寝れない」と比べると急激ではありませんし、検索数自体も多くありません

食べれない」と「起きれない」の検索数

「食べれない」と「起きれない」をクローズアップしたグラフが下記です。
どちらも2011年から急激に増えています。
正しい日本語である「食べられない」は「食べれない」同じような曲線を描いています。
つまりどちらの検索数も同じように増え、同じような検索数ということです。

「食べれない」と「起きれない」をクローズアップしたグラフ

(2)若者言葉

●やばい、パリピ、エモい、ワンチャン、リアタイ、草生える、かまちょ、リムる

「やばい」の検索数は2011年から急激に増えており、2007年の約6倍です。
また検索数自体はこれらのキーワードの中で圧倒的に多いです。

「やばい」の検索数

「パリピ」「エモい」は2012年頃までほとんど検索されていませんでしたが、
2014年頃から増えてきています。

「パリピ」「エモいの検索数」

注釈:
「パリピ」は、「パーティピープル(partypeople)」を略した言葉で、パーティでノリ良く盛り上がる人を指します。
「エモい」は英語の「emotional(感情の)」を略す形で使われた言葉で、「エモい音楽」「エモいメロディ」などと使われます。

「ワンチャン」「草は生える」「かまちょ」「リムる」全て、2009年頃までほとんど検索されていませんでしたが、その後急激に増えました。

「ワンチャン」「草は生える」「かまちょ」「リムる」の検索数

注釈:
「ワンチャン」とは「ワンチャンス(one chance)」の略した言葉ですが、「可能性は有る!」「可能性はゼロではない!」と言う意味で使われます。
「草生えるとは「www」などを表した言葉で、笑いのこと。
「かまちょ」はかまってしょうだいの略。今は「なんとなく寂しい気持ちや悲しい気持ち」を表す言葉として使われています。
「リムる」は「リムーブ(取り除く)する」から来た言葉で、フォローや登録を解除すること。

「リアタイ」は検索数こそ上記より少ないですが、2008年頃から検索され始めて、2015年から後急激に増えています。

「リアタイ」の検索数

注釈:
「リアタイ
は「リアルタイム」の略で、「同時」や「実時間」など今進行しているこの時間を
指す意味で使われる用語

4)スマートフォンホならではの検索キーワードが増えている

(1)近くの~~~

●駅、ホテル、病院、歯医者、レストラン、ランチ、整体、美容院、寿司屋、居酒屋、イタリアン、パスタ、ネイルサロン、接骨院・・・・

スマホではGPSで現在いる場所が分かるため、「近くの~~~」と検索すると、いる場所の近くの候補が表示されます。
これは常に持ち歩いているスマホならではの便利な機能

「近くの駅」「近くのホテル」ともに検索数は2012年から急激に増えました。
2007年はまだスマホが普及していなく、GPS機能がついていないガラケーの時代でした。
ですので、ほとんど検索されていません。

「近くの駅」「近くのホテル」の検索数

同様に「近くの公園」「近くの病院」「近くのガソリンスタンド」も2012年頃から急激に増えています。

「近くの公園」「近くの病院」「近くのガソリンスタンド」の検索数

「近くの美容院」「近くのネイルサロン」「近くの散髪屋」も同様ですが、特に顕著に増えているのが「近くの美容院」です。

「近くの美容院」「近くのネイルサロン」「近くの散髪屋」の検索数

「近くの居酒屋」「近くの寿司屋」も同様です。
ただ「近くの居酒屋」は今までのキーワードの中では早くから検索され始めており、2010年頃から増えてきています。

「近くの居酒屋」「近くの寿司屋」の検索数

「近くのラーメン屋」は「近くの居酒屋」より急激に伸びており、検索数も多いです。

「近くのラーメン屋」「近くの居酒屋」の検索数

「近くのコンビニ」は「近くのラーメン屋」よりさらに急激に伸びており、検索数も多いです。

「近くのコンビニ」「近くのラーメン屋」の検索数

(2)おすすめの~~~(”おすすめ”はひらがなだけ)

●おすすめのランチ、おすすめのホテル、おすすめの居酒屋

「おすすめの~~~」キーワードはスマホの時代以前から検索されていました。
しかし、スマホによって近くの場所で探してくれることを前提として検索できるようになったことが、検索数をより増やすことになりました。
また、誰かが推薦している又は評判の良い場所を探す傾向が強くなっているのも検索数が増えている原因です。

「おすすめのランチ」「おすすめのホテル」「おすすめの居酒屋」全て2012年頃から急激に伸びています。
特に「おすすめのランチ」は顕著で、2007年の7倍ぐらいです。

「おすすめのランチ」「おすすめのホテル」「おすすめの居酒屋」の検索数

(3)その他近くの場所で検索してもらえることを前提としている場合が多いキーワード

●美味しいレストラン、人気レストラン、人気のホテル、人気のランチ、安いランチ、安い美容院

「美味しいレストラン」「人気レストラン」「安いレストラン」全ての検索数は2011年から急激に増えています。
ただし「人気のレストラン」は2004年からほぼ横ばいです。

「美味しいレストラン」「人気のレストラン」「安いレストラン」全ての検索数

同様に「美味しいランチ」「人気ランチ」「安いランチ」全てが2011年から急激に増えています。
3キーワードともに2007年から約10倍増えています。
ただし「人気のランチ」はあまり増えていません。

「美味しいランチ」「人気ランチ」「安いランチ」の検索数

「安い美容院」も「安いランチ」ほどではありませんが、やはり2011年から急激に増えています。

「安い美容院」「安いランチ」の検索数

5)使用する言葉の多用化や変化で検索が横ばい又は減っているキーワードがある

●歯槽膿漏、審美歯科、整体、胃炎

「歯槽膿漏」の検索数は2007年からほぼ横ばいです。
2004―2005年と比較すると減っています。

「歯槽膿漏」の検索数

「審美歯科」の検索数は時代によって大きな波があります。
現在の検索数は、2007年頃とあまり変わっていません

「審美歯科」の検索数

「整体」の検索数はやや減っています。
これに対して、「接骨院」と「整骨院」は増えています。
現在では「整骨院」が「整体」を追い越しています。

「整体」の検索数

「胃炎」の検索数が明らかに減っています。
「胃潰瘍」はほぼ横ばい。
「胃がん」は少しだけ増えてます。

「胃炎」の検索数


最後に、最近のキーワード検索数のトレンド(傾向)をまとめます。

1)全体として検索数が増えている
2)「感情検索」が増えている
3)間違った日本語や若者言葉が増えている
4)スマートフォンならではの検索キーワードが増えている
5)使用する言葉の多用化や変化で検索が横ばい又は減っているキーワードがある

参考)
SEO Pack
https://seopack.jp/seoblog/20160525-searches-per-year/

Search
Engine Land
http://searchengineland.com/google-now-handles-2-999-trillion-searches-per-year-250247

以上

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